家族と私と本と。

日常のつれづれと読書の記録

俳優Eさんと遭遇。

8月25日は夫と私の交際記念日。なかなかこの日に土日が重ならないので、今日は思い出のサービスエリアに行きたいと思っていたけれど、朝から予定が詰まっている。10時に私の美容院、13時に夫の美容院、その後県立美術館で開かれている絵本作家I氏の展覧会。時間どおりに行かないと予定が全部崩れてしまう。

渋い顔の美容師さんに頼み込み、本当は3時間弱かかる施術を2時間程度で終わらせてもらった。スケジュールの問題もあるけれど、息子の授乳もあるし、2時間が限度。5年来のつきあいで、私の髪質をよく知っている人なので、何とか形にしてもらえた。きちんと仕事したい派の美容師さんは最近文房具のはさみで子供の髪を切ってほしいと親戚に頼まれ、失望と怒りで脱力したそうだ。専門職を理解しない、天然で失礼な人っているよね。。。

12時きっかりに会計まで済まして、夫に迎えにきてもらい、そのまま最寄りの百貨店でおろしてもらう。子どもたちの面倒を見ながら買い物も済ませなくてはいけない。まずは腹ごしらえと、いつもいくカフェに向かうと長蛇の列。これはだめだ。上の子はともかく下の子は待てないに決まってる。仕方なく別の階のモロゾフで、息子にはレトルトの離乳食、私はサンドイッチのランチセット、娘はワッフルを食べた。

昼食後、内祝いの商品券を買う用事をすませようと、エレベーターに乗ってやれやれと正面を見ると、ボタンを押して扉を開けていてくれたのは脚の長いスマートな男性。キャップをかぶったその人は、どこにでもある白シャツにパンツ、革靴といういでたちだったけれど、よく見ると高価そうな生地のラインのきれいなパンツに、控えめで上質そうなひも靴で、明らかに普通の人とは違った。こんな格好の人、ここいらでは珍しいなー。港町という土地柄か。それにしても・・・とまじまじと顔を見ると、なんか、誰かに似てない?そうだ、名脇役で有名な某俳優E氏だ。それにしても、こんなとこにいるはずないし。でも、この顎のライン、特徴的な目つき。。。

不躾と知りながらますます凝視する私。これからもう娘に、人をじろじろ見てはいけませんと言えない。。。そうこうするうちに、私の降りる階が来てしまった。今しかない。「あのう、∃さんですか?」「はい」やっぱり!急にテンション上がりすぎて、「す、すきです!」と子どもたち&公衆の門前で大告白してしまいそうに。好き?好きは好きだけど、そういう好きじゃない!と一瞬我に返り「いつも見てます」としか言えなかった。このあとに、さらっと好きですと付け加えれば自然だったのに。贔屓にしてますじゃ私の年齢から言って生意気だ。

初めて間近でテレビに出ている俳優さんに会った興奮で全然冷静じゃなく、自分から手を振り、娘に手を振らせ、わけも分からず知らないおじさんにバイバイする娘に、Eさんからもバイバイしていただく体たらく。Eさんはきまり悪そうに手を振り、居心地悪そうに、大きな身体を小さくしていた。そりゃそうだ。本当に冷静になって考えると、プライベートで来ているのに、満員のエレベーターで存在を周りにぶちまけて降りていくという気の毒なことをしてしまったと思う。私がよけいなことを言うまでは、ニコニコと場所をあけ、エレベーターのボタンを押してくれるただの親切なおじさんでいられたのに。。。

その後は化粧品を買い、メイクを直してもらい、商品券に添えるハンカチを買っていると、娘の限界がきた。たったまま寝そうになっている。急いで買い物を済ませて授乳室のベンチに寝かせると、大の字で眠りこけた。マナー違反スレスレだけど、他の授乳室は全部空いていたし、息子の授乳で使っていることには違いないからと心の中で誰かに謝りながら夫からの連絡を待った。

百貨店のあとはI氏の展覧会へ。17時までなのに、16時半前に入ったので駆け足で見て回る。美しい絵ばかりで、心癒された。物販コーナーの絵本はどれもこれも欲しいものばかりだったけれど、4冊選んで購入。娘に読んであげるのが楽しみ。

晩ごはんは夫が見つけてくれた洋食屋さんでヘレビフカツセット。美味しかった。