家族と私と本と。

日常のつれづれと読書の記録

何を着て生きるか。

とある百貨店ブランドが好きで、服はユニクロとそこに決めています。
そんなの本当はオシャレではないのだろうけれど、そのブランドは素材が上質で、ラインの出方も美しく、着心地抜群、色合いやデザインも好きなものばかりなので買わずにはいられず。
限られた予算の中で、ワードローブを思い出しながら何を買うか比較検討するのは至福の時間です。
わりとトラディショナルな雰囲気の服が揃っているので、いつどこへ着ていっても安心なのも購買理由の一つ。
それだけクオリティが高ければ値段もそこそこ張るので、他のブランドへ浮気するようなお金は当然ありません。
ユニクロファストファッションの中では素材がいいし、最近はデザインもかわいいし、値下げを狙えばコスパのいい買い物ができるし、幼稚園の送迎などで周囲の反感を買うこともないので、普段着として愛用しています。
でもユニクロユニクロ
私の中では、あらたまった場所に着ていくものではないという認識なのです。
たぶんユニクロ自体も、そんなの想定して服作りしてないと思う。
よく見るSNSユニクロに心酔している方がいて、別に他人だし何を着ようと構わないけど、上質のジャケットを着た人と並べば風采の差は歴然としてしまうのにと残念に思います。
彼がイケメンモデルばりにユニクロジャケットを着こなせるならともかく。
たとえ1枚しか持ってなくてもいいから、相応の服をそれなりの場所では着てほしいです。
わからないと思っているのは本人だけだから。
またそういう消費者の姿勢が、ファッション文化やアパレル業界を衰退させるのだとまで思ってしまいます。

ところで、先日その百貨店ブランドの店員さんが辞めるというので、お礼に行ってきました。
コロナの影響を諸に受けてしまって、同じ系列の近隣店舗は軒並み閉店か規模縮小、スタッフさんは解雇になったそう。
ブルックスブラザーズが破産し、セシルマクビーも倒れ、アパレルは本当に厳しいと思います。
特にブルックスブラザーズの服はクオリティが高く、アメリカのエグゼクティブ層にも支持者が多いだろうから多少厳しくても安泰だろうと思っていただけにショックでした。
夫が40代後半になったら、今よく着ているブランドから移行したいと考えていた矢先だったのもあります。
近頃はネット販売もおしてきているし、家で試着して気に入らなければ返品とか、服をレンタルできたりもするから便利なのかもしれませんが、利用する方々は衛生的に不安じゃないのでしょうか。おまけに、スタイリストさんがコーディネートして一週間分洋服一式を送ってくれるサービスまであるらしく、オシャレの楽しみって何なんだろうと虚しくなります。
それだけ豊かな時代なのかもしれないし、それが最先端なのかもしれないけど、着るものは自分のアイデンティティを表していると思うので、(品質やハイブランドからプチプラまで、何を選んで着ているのかは、その人自身をよく表しています)その選択まで他人任せにしてしまうのは、私なら何だか怖い気がします。