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日常のつれづれと読書の記録

『江崎家へようこそ』江崎美恵子

江崎家へようこそ - 芦屋流おもてなし

江崎家へようこそ - 芦屋流おもてなし

図書館が緊急事態宣言でストップしていて、予約していたのをやっと今日取りに行けました。
何と今月から30冊まで借りて良いそうで、ウキウキしなが上記の他にすかさず2冊追加。コロナ第2波も来るかもしれないし、あと15冊ほど何を追加しようかなあと楽しみにしています。

『江崎家へようこそ』は、江崎グリコの社長夫人のパーティーレシピ本です。
著者の美恵子さんいわく、美しくておいしくて簡単で作りやすいレシピ、だそう。
がんばりすぎないで、自分も楽しむスタンスには共感できるけれど、それ以外は全体的に一般庶民向けではないと感じた内容でした。
だって、ポンデケージョのミックス粉なんて、普通のスーパーに売ってない。それの色づけに使う野菜パウダーも、冨澤商店でしか見たことない。
そもそもポンデケージョって何?(※ポルトガルのパンみたいなものらしいです)
アペリティフはいかが?(注:コラムタイトル)って、シャンパンのおつまみにグリコのスナックを出して成立するのは江崎家だけですよと言いたい。。
グリコのスナックに合うお酒?ビールとか?梅酒とか?とにかくもっと庶民的なお酒だと思う。
そうなると、メインは宅配ピザと唐揚げやらフライドチキンやらになるけれど、江崎家は違います。
ローストビーフの作りやすい分量は牛モモのかたまり肉1キロだそうで、豚肉を使う場合もイベリコ豚のロース肉。おまけにロース肉が入る大きさでオーブンに入れられるお鍋も必要だそうで、鍋から買いにいかなけりゃ。あわびの炊き込みご飯は市販の缶詰めを使えば手軽だそうです。あわびの缶詰めって、お中元のカタログの高級ページで見たことあるやつ?
食費を考えて動悸がしているところへ、手まり寿司やタンドリーチキンや見覚えのあるものが出て来てほっとしていたら、すかさず何とかのマルサラワインの香りだの、カニの何とかだのが登場。
いちばんの謎は茶そばのウニのカルボナーラ風で、
松茸まで使ってあり、茶そばの風味もウニのこくも松茸の香りも全部卵黄で包まれてしまわないのか不思議です。。
茶そばとウニと松茸、合うのかしら。。
ウニも松茸も、すごいごちそうなのに。
それだけをテーマにパーティーが開けそう。
松茸の香りをたのしむ会、とか。

その他おもてなしアイデアとして、装花は小ぶりのフラワーアレンジメントをたくさん飾り、帰りに花器ごとおみやげにするのがいいとか。
いや、アイデアとしてはすっごく素敵だと思うし、私も結婚式ではゲストにお持ち帰りいただいたけれど、それって庶民には一生に一回レベルの大盤振る舞いなのよね。。
花一輪とかにすればいいのか。。
バラなんて一輪最低400円するけど、手土産にしてはさみしくないかしら。

うーん、このレベルのホームパーティーを1回やるだけで、我が家の食費数ヶ月分ぐらいとんでいきそう。
例えレベルを下げても、お客様がいない。
招いたり招かれたりって、そんな多くの人の日常ではないから。
食器やカトラリーは普段使いのものを出せば大丈夫と書いてあったけれど、普段から揃った食器を使っていないしそんなにたくさん持ってないし。。

最近のミニマリストブームに真っ向から対峙する、しかも対峙してる意識すらない清々しさに脱帽でした。
まさに金持ちけんかせず。
例えば嫁ぎ先が江崎家と同じようなおうちだったら、参考にしたいと思っただろうけれど、あまりにも自分の生活とかけはなれていて、読んでいるだけでクラクラしそうでした。
夫がもし未来のフェイスブックでも開発すれば、この本は日常になるのかも。
そんな心配、しなくていいのがうれしい。